5.「オリンピック」を御旗にする文部科学省

こんにちは。

甲子園での高校野球が終わりました。

この時期になると「この夏も心ときめくことがなく、秋がやってくるんだなあ」と寂しく思います。

 

(画像引用:中日スポーツ)

 

(画像引用:朝日新聞)

 

今回は、文部科学省が大学等に通知した「東京五輪・パラリンピック期間中の対応」について、A、B、Cの3点を載せます。

A.デジタル毎日記事
B.文部科学省通知「30ス庁第236号(平成30年7月26日)」
C.感想

A.東京五輪・パラ 「授業避けて」国通知、ボランティア促す

 

標記は、毎日新聞(2018年7月27日のデジタル毎日)の見出しです。

以下が記事本文です(一部、朱色を入れました)。

 スポーツ庁と文部科学省は26日、2020年東京五輪・パラリンピックの期間中にボランティアに参加しやすいように全国の大学と高等専門学校に授業や試験期間を繰り上げるなど柔軟な対応を求める通知を出した。

多くの大学は7~8月が試験期間となる。通知では学生がボランティアをすることへの意義を説き、大会期間中は授業や試験を避けることを促した。授業開始時期の繰り上げや祝日の授業実施は学則などに基づき、学校の判断で特例措置を講じることができる。

 首都大学東京は昨夏、期末試験を大会前に終了させるなどして大会期間中に原則、授業や試験を行わないことを決めている。国士舘大も26日、同様の方針を発表した。【田原和宏】

 

この記事の中の文部科学省が大学等に出した「通知」(赤字の部分)に驚きました。
近年、文部科学省は「半期15回の授業数の徹底」を大学に厳しく求めていました。
今回の通知はその求めと矛盾すると感じました。

 

B.平成32年東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会特別措置法及び平成31年ラグビーワールドカップ大会特別措置法の一部を改正する法律による国民の祝日に関する法律の特例措置等を踏まえた対応について(通知)

 

上記が、通知文「30ス庁第236号(平成30年7月26日)」の標記です。

以下に本文を記します。

 

平成30年7月26日

各国公私立大学長
各国公私立高等専門学校長 殿

スポーツ庁次長
今里 讓

文部科学省高等教育局長
義本 博司

 

平成32年東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会特別措置法及び平成31年ラグビーワールドカップ大会特別措置法の一部を改正する法律による国民の祝日に関する法律の特例措置等を踏まえた対応について(通知)

平成30年7月20日付け30ス庁第235号で通知したとおり,「平成32年東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会特別措置法及び平成31年ラグビーワールドカップ大会特別措置法の一部を改正する法律」が平成30年6月20日に公布されました。
この法律では,東京オリンピック競技大会の開会式前日等について,国内外要人や大会関係者の安全・円滑な輸送及び警備と経済活動や日常生活の両立を図るため,国民の祝日に関する法律の特例として,平成32年に限り,海の日を7月23日に,体育の日を7月24日に,山の日を8月10日にすることとしています。
ついては,平成32年度の学事暦の設定に当たっては,この法律の趣旨を踏まえて,各大学等において適切に対応いただくようお願いします。
また,平成28年4月21日付け28ス庁59号で通知したとおり,学生が,オリンピック・パラリンピック競技大会等に参加することは,競技力の向上のみならず,責任感などの高い倫理性とともに,忍耐力,決断力,適応力,行動力,協調性などの涵養の観点からも意義があるものと考えられます。さらに,学生が,大学等での学修成果等を生かしたボランティア活動を行うことは,将来の社会の担い手となる学生の社会への円滑な移行促進の観点から意義があるものと考えられます。この観点から,平成32年度の学事暦を変更する予定の大学もあるところです。
各大学等において,例えば,学生の同大会等への参加や同大会に係るボランティア活動への参加のため,学事暦の変更等を行う場合は,下記の諸点にも留意していただくようお願いします。

1 各大学の学則において,授業日や休業日の変更等についての手続きが予め規定されている場合には,平成32年度の学事暦について,例えば,2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催期間中(平成32年7月24日~8月9日,8月25日~9月6日)に,授業・試験を行わないようにするため,授業開始日の繰上げや祝日授業の実施の特例措置を講ずることなどが可能であり,学則の変更や文部科学大臣への届出を要しないこと。

2 1の学則の規定に基づく特例措置によらず,学則の変更が必要となるような学事暦の変更により対応を行う場合には,次の諸点にも留意する必要があること。なお,(3)については,1の学則の規定に基づく特例措置による場合にも,留意する必要があること。

(1)平成25年3月29日付け24文科高第962号で通知しているとおり,各授業科目の授業期間について,10週又は15週にわたる期間を単位として行うことを原則としつつ,教育上必要があり,かつ,十分な教育効果をあげることができると認められる場合には,各大学及び短期大学における創意工夫により,より多様な授業期間の設定が可能となっていること。

(2)10週又は15週と異なる授業期間を設定する場合は,教育上の必要に加え,10週又は15週を期間として行う場合と同等以上の十分な教育効果を上げることができると認められることが必要であること。

(3)授業期間の弾力化は,単位の修得に必要な授業時間を変更するものでなく,我が国の大学の単位制度の国際的通用性の観点から,基準に適合するよう十分留意すること。

(4)学期,授業を行わない日及び授業日時数については,学則に記載することとされていることから,学則の変更が必要となるような学事暦の変更を行う場合には,公私立大学にあっては,文部科学大臣への届出が必要となること。

【問い合わせ先】

文部科学省代表電話 03-5253-4111

(オリパラ特措法・ラグビー特措法一部改正法関係)
スポーツ庁オリンピック・パラリンピック課(内線3494)

(大学の学事暦等の取扱い関係)
文部科学省高等教育局大学振興課(内線3338)

添付書類

 

C.感想

 

「あきれた」の一言です。

弁護士ドットコムの記事が、法律の観点から分かりやすく解説していました。
こちらをクリック

 

「通知文」で特に気になる箇所を点検していくことにします。

 

【その1】

「さらに,学生が,大学等での学修成果等を生かしたボランティア活動を行うことは,将来の社会の担い手となる学生の社会への円滑な移行促進の観点から意義があるものと考えられます。」

ボランティア活動は、学生の社会への円滑な移行促進のために行うものでしょうか?

 

【その2】

「この観点から,平成32年度の学事暦を変更する予定の大学もあるところです。」

学事歴を自らの考えで変更する大学があってもそれは大学の自由です。
しかし、この大学の存在を追い風として通知文に盛り込む姿勢が姑息です

 

【その3】

「各大学等において,例えば,学生の同大会等への参加や同大会に係るボランティア活動への参加のため,学事暦の変更等を行う場合は,下記の諸点にも留意していただくようお願いします。」

「授業時間確保の厳格化」と「学事暦の変更」との間にある矛盾を文部科学省自ら認識しているのですね。
この矛盾点を解消するために、「下記の諸点にも留意していただくようお願いします。」とこじつけた諸点を併記しています。

文部科学省は正直に次のように本心を書けばよいと思います。

※ 正直な通知(案)

文部科学省は授業時間確保を各大学に課してきました。
しかし、2020年夏にオリンピックという国家行事が行われます。
ボランティアの人手が足りません。
したがって、各大学においては学事暦を変更してほしいのです。
また、学生がボランティアに参加する気になるよう、ボランティア活動に単位認定してほしいです。
これが本音です。
しかし、授業時間確保を大学に厳しく課してきた文部科学省、安易な社会活動に対する単位認定を否定してきた文部科学省としては、この前言を翻すことは出来かねます。
そこで、一応、建前として留意点を添えます。
どうか、建前は建前として、本音を汲んでいただけましたら助かります。
(実は、我々も辛いのです。他省と官邸からの圧力には逆らえないのです。お察し願います)

 

国家行事を御旗にして大学に参加を迫ってくる文部科学省への危惧

 

再度、文部科学省の通知文を記します。

「学生の同大会等への参加や同大会に係るボランティア活動への参加のため,学事暦の変更等を行う場合は,」

この「同大会に係るボランティア活動への参加のため」という理由が、知らぬうちに「あらゆる国家行事への参加のため」という理由に拡大しないことを祈るばかりです。

 

「世界情勢を鑑みるに、全ての大学と学生は国家行事に積極的に参加すること」という文面の通知が届きませんように!

 

 

今までの投稿一覧

5.「オリンピック」を御旗にする文部科学省

4.文部科学省による大学調査結果

3.大学授業料減免は、大学に負担させよ。

2.アメリカンフットボールと日本型組織

1.京都大学の立て看板撤去について

 

 

 

 

 

4.文部科学省による大学調査結果

こんにちは。

今回は、文部科学省による大学調査結果について、思うところを記します。

 

「大学調査結果」についての日本経済新聞の記事

 

まずは日本経済新聞webニュース(2018/2/23 19:44)を転載させていただきます。

 

『新設学部に是正意見、一部私大の運営問題視 文科省』

 文部科学省は23日、新設した大学や学部の運営状況を審査する2017年度の「設置計画履行状況等調査」の結果を公表した。対象となった大学、短大など412校のうち、50%にあたる208校に不備を指摘する「改善意見」がつき、うち5校は早急な見直しを求める「是正意見」とした。

 是正意見がついたのは全て私立大。武蔵大では一部学科で入学定員の1.3倍超を受け入れており、厳格な定員管理が求められた。大和大では教員の大幅な減少が問題視された。麻布大、名城大、京都光華女子大ではいずれも一部の課程で授業日数が不足していた。

改善意見がついた208校の内訳は国立6校、公立4校、私立198校。定員充足率が7割未満だったり、定年を超えた教員が多かったりする学部・学科に、見直しを求める内容が多かった。

調査は大学設置・学校法人審議会の委員会が実施。意見がついた学校は、5月までに文科省に改善報告書を提出する。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO27320330T20C18A2CR8000/

「設置計画履行状況等調査」とは?

 

文部科学省高等教育局高等教育企画課大学設置室では、大学に対して設置計画履行状況等調査を行っています。→文部科学省サイト

この「設置計画履行状況等調査」は、すべての大学が調査対象ではなく、「大学の設置」・「学部の新設」・「定員増加」をした大学についてのみ、4年間(初めての卒業生が出るまでの期間)調査を行うことです。

 

〇調査対象は、
・大学の設置認可を受けた大学
・学部等の設置認可を受けた大学(又は届出を行った大学)
・収容定員増加の認可を受けたもので、充足状況が著しく不適切な大学

平成29年度は、412校(国立84校、公立24校、私立304校)でした。

〇調査期間は、
原則として開設年度の始まりから完成年度の終わりまで。
(ただし、本調査において改善意見、是正意見又は警告が付されている場合にはこの限りでない→ということは、完成年度を超えても調査が続くことになる)
すなわち、4年制大学は1年生が入学してから卒業するまでの4年間が調査期間。

〇調査方法は、
基本的には書面調査であるが、面接調査・実地調査もありえる。

平成29年度は、書面調査は412校。
書類調査に加え面接調査を実施したのは19校、実地調査を実施したのは10校。

調査結果は?

 

まずは、文部科学省の調査結果を記します。

調査対象412校の内、

●「警告」は一校もありません。

●「是正意見」は5校です。

●「改善意見」は208校です。

●意見が付されなかった学校は204校(412校ー208校=204校)です。

(「是正意見」が付された学校は、同時に「改善意見」も付されています)

 


少し長くなりますが、「警告」・「是正意見」・「改善意見」の文科省の定義をコピーします。

改善意見
設置計画履行状況調査の結果,留意事項の履行状況等に関し,改善を強く求める事項があり,認可を受けた者又は届出を行った者に対して,その改善を求める意見。

是正意見
設置計画履行状況調査の結果,早急な是正が求められる場合,又は改善意見を受けた後に行った設置計画履行状況調査の結果,当該改善意見が求める事項について不履行がある場合若しくは対応が不十分な場合において,認可を受けた者又は届出を行った者に対して,その早急な是正を求める意見。

警告
設置計画履行状況調査の結果,是正意見を受けながら,その早急な是正に向けた対応がなされていないと認められる場合に,認可を受けた者又は届出を行った者に対して,大学,大学院,短期大学及び高等専門学校の設置等に係る認可の基準(平成15年文部科学省告示第45号)第2条第3号(※4参照)に規定する「設置計画の履行の状況が著しく不適当な状態」に該当することになるおそれがある旨を伝達すること。
【※4「大学,大学院,短期大学及び高等専門学校の設置等に係る認可の基準(平成15年3月31日文部科学省告示第45号)」(抄)
第2条 文部科学大臣は,大学,大学院,短期大学及び高等専門学校(以下この条において「大学等」という。)に関する法第四条第一項の認可の申請を審査する場合において,認可申請者が次の各号のいずれかに該当するときは,当該認可をしないものとする。
1~2 (略)
3 大学の設置等の認可の申請及び届出に係る手続等に関する規則(平成十八年文部科学省令第十二号)第十三条に規定する設置計画の履行の状況が著しく不適当と認められる大学等を設置する者】

 

いかがでしょうか?

多くの大学に「意見」が付されていますね。

半数の大学に何かしらの意見が付されていることに驚きます。

意見のうち大多数を占める「改善意見」の内容を次に記します。

「改善意見」の内容

 

208校に付された「改善意見」の内容を調べました。

主な意見は次の4点でした。

 

1.
定員充足率が0.7倍未満となっているので、入学定員の見直しを検討すること。

2.
入学定員を超過して学生が入学しているので、改善に努めること。

3.
定年規程に定める退職年齢を超える専任教員数の割合が比較的高いので、定年規程の趣旨を踏まえた適切な運用に努めるとともに、教員組織編制の将来構想について検討すること。

4.
シラバスにおいて15回目に定期試験を行う科目が見受けられ、大学設置基準第21条の授業時間数を確保できていないと考えられので、1単位当たりに必要な授業時間数を適切に確保するとともに、シラバスの確認体制を充実させること。

(元資料は→「平成29年度設置計画履行状況等調査の結果について」

 

これら4点について、原因と私の考えを記します。

 

 

 

1番の「定員充足率が0.7未満」について

 

原因は、
大学の学部学科に魅力がないにも関わらず、定員を増加されたことです。

対策としては、
1.定員を減少させる。
2.学部学科の魅力を高める教育をするよう自助努力をする。
3.魅力のない学部学科を廃止し、新たな学部学科を新設すること。

このことは、教職員の雇用に係ることですので、痛みを伴う改革になります。
しかし、少なくとも2番の自助努力はすぐにでもなされるべき喫緊の課題でしょう。


2番の「定員以上に学生が入学する」ことについて

 

原因は、
合格者数を決める際に、定着率を読み間違えたことです。

対策は、
「補欠合格」という制度を作り、まずは少なめに合格者を出し、定員に至るまで徐々に補欠合格者を合格に繰り上げることです。

しかし、定着率を読むことは事務上なかなか困難なことです。
合格者および補欠合格者を少なめにして、もしも4月1日の段階で定員が充足しなければ、特に私学の場合は財政に関わる大事です。

 

3番目の「専任教員の退職年齢」について

 

原因は、
文部科学省に認可(又は届出)書類を提出する際には、重要科目は専任教授が担当せねばなりませんが、この専任教授が完成年度を迎えるまでに定年を迎えた時に、すぐに新任の教授を探し雇うことが困難だからです。

対策は、
専任教授が定年を迎えることを見越して、同等の成果を持つ教授を探すことしかないです。

しかし、「研究(論文)実績」と「教育(教育期間)実績」を併せ持つ専門家の数は限られています。
短期間に適任者を探すことは困難なことでしょう。

 


4番の「15回目の授業時間に、講義を行わず試験時間としている」について

 

原因は、
文部科学省の決まり事が、形だけではなく実質化しているという変化にあります。

かつては、半期15回の授業を行うという決まりごとは厳しくありませんでした。
13回程度の講義を行い、残りの2回はオリエンテーションなり試験とし講義を行わないケースが多かったです。

対策は、
時代の変化を全教職員に周知徹底させ、シラバス(授業計画を書いた、学生に配布する冊子)に15回分の授業計画を明示することです。

 

まとめ

 

付与された意見内容を読む限り、研究及び教育の根本にかかわる事案は見つかりませんでした。

事務的な内容の意見付与に対して、大学が委縮しなければ良いと思います。

また、この調査結果を受けた大学経営陣が学内の教職員を締め付ける材料としないことを望みます。


とは申しましても、定員充足率が0.7未満の大学は、その理由を分析しすぐにでも対策を取ってほしいです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3.大学授業料減免は、大学に負担させよ。

こんにちは。

6月上旬。

この土日は暑かったですね。

今回は、大学授業料等減免について考えたいと思います。

 

 

高等教育の無償化

 

まずは、6月2日の東京新聞の記事を引用します。

 安倍政権が人づくり革命の目玉施策の一つとして実施する大学など高等教育の無償化で、
私立大に通う住民税非課税世帯の学生の授業料について、
最大で年70万円程度減額し、
入学金も私立大平均の25万円程度を上限に免除する方向で政府が検討していることが2日、分かった。
国立大は授業料に相当する標準額約54万円、入学金約28万円を全額免除する。

これとは別に教科書代などの修学費や通学費、下宿生の食費、光熱費などの生活費を対象に返済不要の給付型奨学金も支給。
年収270万円未満が目安の住民税非課税世帯をベースに、
年収300万円未満の世帯もこれの3分の2の額を支援する。

(共同)

 政府による高等教育無償化のイメージ

 政府による高等教育無償化のイメージ

(引用:東京新聞 2018年6月2日)
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2018060201001517.html)

 

住民税非課税世帯の学生が家計を考慮し、大学で学びたいにも関わらず諦めざるを得ないことは残念なことです。
ご本人やご家族の無念さが想像されます。

また、仮に入学を果たしても学費と生活費の捻出のためにアルバイトに追われる実態や、貸与奨学金を卒業後に返済する困難もメディアで報じられています。

授業料等や生活費が免除されることは、朗報です。

しかし、その原資は税金です。

財源には消費税増税を考えていると聞きます。

 

大学による学費等減免の現状

 

大学ごとに、収入基準・成績基準を定めて、減免を行っています。

ある国立大学の授業料免除学生数を例として挙げます。
(国立大学は横並びなのか、幾つかの他大学もほぼこの例と同率でした)

全学部生  約8,000人

免除申請者 約1,000人

内全額免除 約600人
半額免除  約300人

不許可   約100人

在学生中、1割強の学生が免除を受けていることが分ります。

ご参考:
・文部科学省「授業料免除選考基準の運用について」のサイト
こちらをクリック
・厚生労働省「平成 28 年 国民生活基礎調査の概況」のサイト
こちらをクリック

 

一方、幾つかの私立大学も大小交えて調べましたが、減免を受ける学生割合も減免額も国立大学に比してお寂しい数値でした。

また、割合も額も大学によって大きな差が見受けられました。
(ゆえに、例示はいたしません)

 

価格決定と減税

 

「物やサービスの希望小売価格は、国ではなく提供者が決める」というのが前提です。

国が価格の値引きを提供者に求めることは例外です。


ハイブリッドカーを例に挙げます。

その普及に関し、国は自動車取得税・重量税・自動車税において減税措置を取りました。
エコカー減税です。

減税によって、結果としては購入価格が減ったのです。

 

(画像引用:TOYOTA)

 

これはあくまでもハイブリッドカーの普及によって環境負荷を低下させること及び日本の産業育成による国際競争力強化の一環です。
メーカーを利するためではなかったはずです。

国からの減税が何よりの追い風ではあったものの、当然のことながらメーカー側も価格を下げることに大きな努力を計りました。

 

翻って大学の場合はどうでしょうか?

住民税非課税世帯の学生への減免措置を大学自らが行ってきたでしょうか?

学費等を下げる経営努力をしてきたでしょうか?

 

 

誰を利する大学学費減免か?

 

結論を先に述べます。

大学に対して税金を投入することは、志願者数不足、在籍者不足にあえぐ大学を利することにつながります。

今まで入学しなかった学生層が「顧客」として増えるのですから、大学はありがたいものです。

それも、国が税金を使ってくれます。大学側は一切腹を傷めることなく。

この意味で、学費等減免は大学を利する政策だと考えます。


「まずは大学側に自助努力をしてほしい」というのが私の趣旨です。

極論ですが、「自助努力がなされていない大学に対しては減免のための税金を交付しない」という決まりを文部科学省が作るのもありだと思います。
(実際は、文部科学省による大学への締め付けにつながりますので、大反対ですが)

 

誤解なきよう申し添えますが、今回の減免措置に反対という趣旨ではありません。
また、住民税非課税世帯の学生は「大学での学びを選択せず就職を」という趣旨ではありません。

日本国憲法第25条は、
(1)「すべて国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」
(2)「国は、すべての生活部面について社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。」と、
規定しています。

義務教育ではなくとも、学ぶ権利を国は尊重し政策において実現すべく努めるべきです。

 

(社会保障についての国の考え方→こちらをクリック

 

繰り返しになりますが、「税金を投入するならば、同時に大学の自助努力も必要だ」と言いたいのです。

 

 

 

 

2.アメリカンフットボールと日本型組織

こんにちは。

連日、アメリカンフットボールに関する報道がなされていますね。

 

 

「内政と外交において大きな課題があるにも関わらず、アメリカンフットボール関連に報道時間を割きすぎている」
という意見も聞きます。

内政は「公文書問題」、外交は「北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)の核放棄・米朝会談」のことを指しているようです。

統治制度と安全保障の観点ではその通りだと思います。

しかし、長期的視点からしますと、アメリカンフットボール問題は日本社会に根付く問題が如実に表れている重要な問題だと考えます。

 

何が問われているのか?

 

この報道を初めて聞いたとき、私はたんにアメリカンフットボールというスポーツの指導法に限った問題だと感じました。

しかし、報道が続くうちに、日本のスポーツ界全体の問題ではないかと思うようになりました。

さらに、両者の会見を見るうちに、日本のあらゆる組織の運営に通ずる問題だと感じました。

問題の本質を考えるに、組織論を超え、極論すれば日本論にも及ぶものです。

 

 

アメリカンフットボール部や他のスポーツに限りことなく、日本のあらゆる組織において、そして個人として、次のことを点検することが大切だと思います。

(ここで言う組織とは、公官庁、企業、家庭・親戚、地域社会、友人関連など、人が複数名集まった集団です)

 

1.教える/学ぶとは何なのか?

2.個人が大切なのか? それとも組織の継続が大切なのか?

3.一人ひとりの行動を律する行動規範は何なのか? 

4.行動規範の大本はどこから来ているのか?

 

ハラスメント、検査結果の偽造、リコール隠蔽、公文書破棄、、、

 

上司からの明らかな不正指示、あるいは不明確な言葉への忖度。

日本を代表する企業であっても、上からの圧力に自ら屈して不正を行う社員は多いです。

むしろ、上司に意見する人の方が少ないかもしれません。

 

 

特に、大企業であればあるほど稟議と指示構造が複雑なため、自分の不正による社会の被害を自分個人がダイレクトに受け止める機会はないかもしれません。

最初は指示に加担したくないという良心の呵責があっても、不正を続けているうちに、だんだんと麻痺してくることがあることでしょう。

 

ハラスメント、検査結果の偽造、リコール隠蔽、公文書破棄、、、。

今回のアメリカンフットボール問題は、日本のあらゆる組織に根付いた問題だと思います。

自分が属する組織の中で自分がどのような行動を取っているのか、そしてその行動の大本が何であるかを振り返る契機としたいものです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1.京都大学の立て看板撤去について

2008年5月1日。

京都大学の立て看板の撤去準備が始まりました。

 

京都大学はご存知の通り、自由な学風で知られています。

その一つの表れが、大学周辺を囲むように立て看板の存在です。

 

京大、立て看板の写真

 

 

サークルの案内、イベントの告知、主張や風刺、、、、。

各種看板が入り乱れて脈絡なく立てられています。

 

(画像引用 http://www.rokusaisha.com/blog.php 2018年5月1日 号)

(画像引用 https://www.bengo4.com/internet/n_7825/)

(画像引用 https://twitter.com/kusyokuin/status/940187392069140480)

撤去の根拠として、大学は「京都市景観条例」を挙げています。

 

京都市景観条例と京大立て看板との関係について

 

京都市は住民の意見を行政に活かそうとしています。

その一つが「市長への手紙」という仕組みです。

以下に、京都市サイトの「意見の要旨と回答の要旨」をコピーします。

京都大学の立て看板について

ご意見要旨

景観を守る条例に違反するとして京大の立て看板が行政指導を受けている件で反対する。

回答要旨

 本市では,平成19年9月から新景観政策を実施し,屋外広告物につきましても,歴史都市・京都の景観を形づくる重要な要素として,屋上屋外広告物の市内全面禁止をはじめ,地域の特性に応じて「大きさ」,「色」,「表示できる高さ」など,きめ細やかな基準を設定し規制を行っております。

さらに,平成24年度からは,屋外広告物適正化に向けた取組体制を大幅に強化して取組を進めた結果,市民,事業者の皆様のご理解,ご協力により,現在では95%を超える屋外広告物が適正に表示されるに至っております。

この中で,京都大学周辺に置かれている立て看板等も屋外広告物に該当するため,掲出するに当たっては本市の定める基準を守っていただく必要がございます。

また,道路にはみ出すと道路法上の不法占用となるほか,強風等による倒壊も危惧され,通行に危険を及ぼすことにもなりかねません。

今回の指導は,広告物の表現内容を問題としているものではなく,広告物の大きさ,色彩,高さ等についての法令遵守及び歩行者等の安全確保を求めているものであります。

(回答日:平成29年12月11日)

担当課

都市計画局広告景観づくり推進室

 

以上、コピー終わり

(参考アドレス http://www.city.kyoto.lg.jp/sogo/page/0000229856.html)

 

回答要旨の文中に「京都大学周辺に置かれている立て看板等も屋外広告物に該当するため」とありますね。

この回答用紙によると、立て看板は屋外広告物に当たるそうです。
学生は広告のために立て看板を作成したのでしょうか?
表現のために作成したのです。

立て看板が広告物ならば、京都が誇る神社仏閣の建築物も広告物ではないかと思います。
今でこそ、日本の伝統ですが、建てた当時は宗教の権力を示すため、あるいは教えを具現化した建築物であったからです。

京都大学の立て看板も数十年の歴史を持ち、近隣の住民からも親しまれています(正確には、と思います)。

 

また、「今回の指導は,広告物の表現内容を問題としているものではなく,広告物の大きさ,色彩,高さ等についての法令遵守及び歩行者等の安全確保を求めている」とあります。

この回答では、表現の是非については触れていません。
なんだか、問題の本質を避けているように感じます。
表現物ではなく広告物だと認識する根拠なり考え方を京都市に示していただきたいです。

 

 

「こざっぱりとしてはる」。帰ってきた立て看板

 

2018年5月14日に、また立て看板が出現しました。

 

 

(3枚の画像引用:弁護士ドットコムNEWS)

 

「こざっぱりとしてはる」というコピーが京都らしくて秀逸ですね。

 

弁護士ドットコムNEWSの記事→こちらをクリック

 

 

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