21.接待汚職で懲戒処分を受けていた文部科学事務次官

こんにちは。

秋ですねえ。

朝夕は過ごしやすくなったものの、日中は汗をかきます。

体温調整がむづかしい時期ですが、お元気でお過ごしのことと思います。

 

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【目次】

1.減給懲戒を受けた官僚が文部科学事務次官に就任

2.義本博司文部科学次官の経歴

3.今までの投稿一覧

 

1.減給懲戒を受けた官僚が文部科学事務次官に就任

 

現在の文部科学事務次官は、義本博司氏。

本年2021年9月21日付の発令ですから、1週間経ったところですね。

この藤本氏は、約3年前の高等教育局長時代に民間から接待を受け減給処分を受けていました。

減給処分を受け実質上の更迭となった大学センター出向となった3年後にトップとして返り咲いたことになります。

さて、義本博司氏については、東京オリンピックボランティア募集と大学学事暦の件で、1年前にブログに記してきました。

ご覧いただけましたら幸いです。

「14.オリンピックボランティア配慮を大学に通知した高等教育局長は今?(2020年10月15日)」(懲戒ニュース付)

 

 

以下は、『NHK NEWSWEB  』からの引用です。

「文部科学省 新事務次官に義本博司氏起用」

政府は、14日の閣議で文部科学省の新しい事務次官に義本博司・総合教育政策局長を起用する人事を決めました。

文部科学省の藤原誠事務次官の退任に伴って、新しい事務次官に決まった義本氏は59歳。

昭和59年に旧文部省に入り、高等教育局の高等教育企画課長や大臣官房の会計課長、総括審議官を務め、大学入試センターの理事を経て、ことし1月からは総合教育政策局長を務めています。

一方で、高等教育局長在任中の平成30年には文部科学省の接待汚職事件をめぐって減給の懲戒処分を受けました。

この人事は今月21日付けで発令されます。

以上

 

なお、義本氏が大学センター理事から本庁の局長に復帰した事情は、次の記事を。

 

「「高額接待」の文科局長 人材難で異例の本省復帰」

文部科学省から大学入試センター理事に出向していた義本博司氏(1984年旧文部省入省)が、1月1日付で総合教育政策局長として本省に復帰した。
義本氏は、18年に科学技術・学術政策局長(当時)が逮捕された贈収賄事件に絡み、戸谷一夫事務次官(同)とともに贈賄側の業者から高額接待を受けていたことが発覚し、懲戒処分を受けた。
翌19年1月の大学入試センターへの出向は「事実上の更迭」と見られていた。

復帰の背景にあるのは、幹部候補の人材難だ。
17年に発覚した天下り斡旋(あっせん)問題に始まり、加計学園の獣医学部新設を巡るゴタゴタ、前述の贈収賄事件と相次ぐ不祥事に見舞われた文科省。
義本氏を含めて多くの幹部が傷を負う結果となり、トップを担える人材の層が薄くなってしまった。(以下は有料記事につき略)

エコノミストOnline「「高額接待」の文科局長 人材難で異例の本省復帰」2021年2月8日

 

ちなみに、同事案で減給2か月の懲戒を受け辞任した元初等中等教育局長の高橋道和(みちやす)氏は、東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の職員でした。
朝日新聞デジタル「不適切接待で処分の前文科省局長、五輪組織委に採用」(2019年1月4日 15時47分)

 

同じく懲戒3か月の懲戒を受けて辞任した元事務次官の戸谷一夫氏の現在は、

2019年6月27日半導体エネルギー研究所取締役。2019年9月1日高砂熱学工業顧問。2019年12月光エンジニアリングサービス特別顧問。2020年材料科学技術振興財団理事長、獨協国際医学教育研究財団顧問、玉川大学学術研究所先端知能・ロボット研究センター(AIBot研究センター)教授。

ウィキペディア「戸谷一夫」

 

2.義本博司文部科学次官の経歴

 

義本氏の経歴については、以下の通りです。

 

→1984年旧文部省入省

→2017年7月 高等教育局長就任
 (この期間中に医療会社元役員から接待を受け2018年9月減給処分)

2019年1月 大学入試センターへ出向し理事就任

→2021年1月 総合教育政策局長就任

→2021年9月 文部科学事務次官就任

 

細かな就任履歴は、

義本博司
昭和36年12月20日生男
出身地 京都府
最終学歴 京都大学法学部(昭和59年03月)
採用 国家上級甲 (法律)文部省採用

福岡県教育委員会指導第二部義務教育課長
文部省学術国際局国際企画課専門員
外務省在フランス曰本国大使館一等書記官
文部省大臣官房総務課審議班主査
文部省高等教育局視学官
(併)内閣事務官(内閣官房内閣内政審議室)
(併)内閣官房中央省庁等改革推進本部事務局企画官
文部省大臣官房総務課課長補佐
(命)文部省文部大臣秘書官事務取扱(大島理森文部大臣)
文部科学省生涯学習政策局政策課生涯学習企画官
文部科学省大臣官房企画官
文部科学省初等中等教育局幼児教育課長
文部科学省大臣官房総務課広報室長
厚生労働省雇用均等”児童家庭局保育課長
文部科学省高等教育局大学振興課長
文部科学省高等教育局高等教育企画課長
文部科学省大臣官房会計課長
文部科学省大臣官房審議官(初等中等教育局担当)
(併)内閣府大臣官房審議官(共生社会政策担当)
(併)内閣府子ども・子育て支援新制度施行準備室次長
文部科学省大臣官房審議官(高等教育局担当)
(併)内閣官房副長官補付
(命)内閣官房日本経済再生総合事務局次長
文部科学省大臣官房総括審議官
文部科学省高等教育局長
(併)内閣官房内閣審議官(内閣官房副長官補付)
(命)内閣官房人生100年時代構想推進室長代行補
(命)内閣官房一億総活躍推進室長代理補
(命)内閣官房働き方改革実現推進室長代行補
(独)大学入試センター理事

参考元→「大学センター理事の略歴書」

 

さすがは、霞が関。

約1年ごとに部署が異動するのですね。

メリットは、鳥瞰する分析力と大局観が身に付くことでしょう。

しかし、現場感覚の感度は、個人のお人柄と誠実さによると思います。

「見て見ぬふりができない事柄」に出会った時に、部署が異動となれどもその事柄をライフワークの核とする熱意を持続いただきたいものです。

 

 

今までの投稿一覧

 

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