3.大学授業料減免は、大学に負担させよ。

こんにちは。

6月上旬。

この土日は暑かったですね。

今回は、大学授業料等減免について考えたいと思います。

 

 

高等教育の無償化の記事

 

まずは、6月2日の東京新聞の記事を引用します。

 安倍政権が人づくり革命の目玉施策の一つとして実施する大学など高等教育の無償化で、
私立大に通う住民税非課税世帯の学生の授業料について、
最大で年70万円程度減額し、
入学金も私立大平均の25万円程度を上限に免除する方向で政府が検討していることが2日、分かった。
国立大は授業料に相当する標準額約54万円、入学金約28万円を全額免除する。

これとは別に教科書代などの修学費や通学費、下宿生の食費、光熱費などの生活費を対象に返済不要の給付型奨学金も支給。
年収270万円未満が目安の住民税非課税世帯をベースに、
年収300万円未満の世帯もこれの3分の2の額を支援する。

(共同)

 政府による高等教育無償化のイメージ

 政府による高等教育無償化のイメージ

(引用:東京新聞 2018年6月2日)
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2018060201001517.html)

 

住民税非課税世帯の学生が家計を考慮し、大学で学びたいにも関わらず諦めざるを得ないことは残念なことです。
ご本人やご家族の無念さが想像されます。

また、仮に入学を果たしても学費と生活費の捻出のためにアルバイトに追われる実態や、貸与奨学金を卒業後に返済する困難もメディアで報じられています。

授業料等や生活費が免除されることは、朗報です。

しかし、その原資は税金です。

財源には消費税増税を考えていると聞きます。

 

大学による学費等減免の現状

 

大学ごとに、収入基準・成績基準を定めて、減免を行っています。

ある国立大学の授業料免除学生数を例として挙げます。
(国立大学は横並びなのか、幾つかの他大学もほぼこの例と同率でした)

全学部生  約8,000人

免除申請者 約1,000人

内全額免除 約600人
半額免除  約300人

不許可   約100人

在学生中、1割強の学生が免除を受けていることが分ります。

ご参考:
・文部科学省「授業料免除選考基準の運用について」のサイト
こちらをクリック
・厚生労働省「平成 28 年 国民生活基礎調査の概況」のサイト
こちらをクリック

 

一方、幾つかの私立大学も大小交えて調べましたが、減免を受ける学生割合も減免額も国立大学に比してお寂しい数値でした。

また、割合も額も大学によって大きな差が見受けられました。
(ゆえに、例示はいたしません)

 

価格決定と減税

 

「物やサービスの希望小売価格は、国ではなく提供者が決める」というのが前提です。

国が価格の値引きを提供者に求めることは例外です。


ハイブリッドカーを例に挙げます。

その普及に関し、国は自動車取得税・重量税・自動車税において減税措置を取りました。
エコカー減税です。

減税によって、結果としては購入価格が減ったのです。

 

(画像引用:TOYOTA)

 

これはあくまでもハイブリッドカーの普及によって環境負荷を低下させること及び日本の産業育成による国際競争力強化の一環です。
メーカーを利するためではなかったはずです。

国からの減税が何よりの追い風ではあったものの、当然のことながらメーカー側も価格を下げることに大きな努力を計りました。

 

翻って大学の場合はどうでしょうか?

住民税非課税世帯の学生への減免措置を大学自らが行ってきたでしょうか?

学費等を下げる経営努力をしてきたでしょうか?

 

 

誰を利する減免か?

 

結論を先に述べます。

大学に対して税金を投入することは、志願者数不足、在籍者不足にあえぐ大学を利することにつながります。

今まで入学しなかった学生層が「顧客」として増えるのですから、大学はありがたいものです。

それも、国が税金を使ってくれます。大学側は一切腹を傷めることなく。

この意味で、学費等減免は大学を利する政策だと考えます。


「まずは大学側に自助努力をしてほしい」というのが私の趣旨です。

極論ですが、「自助努力がなされていない大学に対しては減免のための税金を交付しない」という決まりを文部科学省が作るのもありだと思います。
(実際は、文部科学省による大学への締め付けにつながりますので、大反対ですが)

 

誤解なきよう申し添えますが、今回の減免措置に反対という趣旨ではありません。
また、住民税非課税世帯の学生は「大学での学びを選択せず就職を」という趣旨ではありません。

日本国憲法第25条は、
(1)「すべて国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」
(2)「国は、すべての生活部面について社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。」と、
規定しています。

義務教育ではなくとも、学ぶ権利を国は尊重し政策において実現すべく努めるべきです。

 

(社会保障についての国の考え方→こちらをクリック

 

繰り返しになりますが、「税金を投入するならば、同時に大学の自助努力も必要だ」と言いたいのです。

 

 

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です